お子さまの予防ケア
生まれたての赤ちゃんのお口に、むし歯菌はいません。しかし、ご家族でスプーンやペットボトルなどを共有したり、口にキスをしたりすると、お子さまのお口にむし歯菌がうつってしまいます。
感染をゼロにするのは難しいので、歯が生え始めるタイミングで「歯医者さんデビュー」をおすすめします。お口の健康チェックはもちろん、仕上げ磨きのポイントや、むし歯になりにくい離乳食のあげ方なども、歯科医師の立場から丁寧にお伝えします。
子どものむし歯の特徴
保護者の方の意識が、お子さまの歯を守ります
子どもの歯は、大人よりもむし歯のリスクがずっと高いことを知っておきましょう。歯質がやわらかいためむし歯の進行が速く、あっという間に神経に達して痛くなってしまいます。「早期発見・早期治療」が何より大切ですので、異変に気づいたら早めに受診させてあげましょう。
- 乳歯のむし歯は永久歯にも影響
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乳歯のむし歯を放置すると、次に生えてくる永久歯もむし歯になったり、歯並びが乱れたりすることがあります。さらに、乳歯の根までむし歯菌に侵されてしまった場合、そのすぐ下で作られている永久歯の形成を阻害して、変色や欠けなどのトラブルを引き起こす可能性もあるのです。
お子さまのための3つのお約束
お子さまと同じ目線で
お話しいたします
お子さまと同じ目線で向き合い、「この人ならお口を見せてもいい」と思ってもらえるようなコミュニケーションを心がけています。お子さまのお話をしっかり聞き、こちらからも年齢に応じたわかりやすい説明をいたします。
お子さまの心の準備ができる前に、無理に治療を始めることはありません。診療台に座る練習から、少しずつ段階を踏んで進めていきますのでご安心ください。
自立心を育て、
信頼関係を築いていきます
治療に集中していただくために、4歳以上のお子さまにはお一人で診療室に入っていただきます。お子さまとスタッフが1対1で向き合うことで、互いの信頼関係を築いていきます。
保護者の方にとってはご心配かと思いますが、ぜひお子さまの自立心を養うためにもご理解いただき、待合室でゆったりとお待ちいただければと思います。
もしも付き添いが必要と判断した場合は、ご協力をお願いいたします。
保護者の方のお悩みにも寄り添います
お子さまの歯は非常にむし歯になりやすく、保護者の方だけで歯を守るのは至難の業です。ましてや2人、3人とお子さまがいるご家庭では、1人ずつ仕上げ磨きの時間を確保するのも大変なご苦労だと理解しています。
ぜひご家庭だけで頑張らずに、私たちにお手伝いさせてください。3ヶ月に1回程度の定期検診で、むし歯を効果的に予防することができます。また、仕上げ磨きのコツや、おやつのあげ方など、保護者の方のお悩みにも寄り添いアドバイスいたします。
予防のための小児矯正
お子さまのうちに矯正治療を始めることで、以下のようなメリットを感じられることがあります。
- 顎や身体、脳の発達を促す
- むし歯などのトラブルのリスクが低くなる
- 早期治療によって、悪化を防げることがある
- 非抜歯で矯正治療が済む可能性が高くなる
- 最終的に治療費を抑えられる可能性が高くなる
小児矯正のメリット
乳歯が生え始めてから十数年経つと、永久歯のかみ合わせが完成します。
この時期にかみ合わせのバランスが崩れた場合、2期に分けた矯正治療が効果的です。
小児矯正は成長に合わせた2段階
小児矯正では、おもに顎の発達を促す第Ⅰ期治療と、発達が完了した顎に歯を並べる第Ⅱ期治療に分けて行います。お子さまの症例や治療経過によって、第Ⅰ期治療だけ、または第Ⅱ期治療だけになる場合もあります。
第Ⅰ期治療(小児矯正)
乳歯だけ、または乳歯と永久歯が混在している時期に行う治療です。顎の成長を利用して、すべての歯がきれいに並ぶスペースを作っていきます。上下のバランスなども整え、本来あるべき歯並び・かみ合わせの土台を作ります。
第Ⅱ期治療(成人矯正)
すべての永久歯が生えそろってから行う治療です。第Ⅰ期治療で作った土台に、成人と同じような矯正装置を用いて適切なかみ合わせや歯並びに整えていく最終調整となります。抜歯が必要な場合は、この時期に行います。
定期検診は3ヶ月に1回を目安に
お子さまに歯が生え始めたら、定期検診をおすすめします。むし歯になる前に歯科医院の雰囲気やスタッフに慣れてもらうことで、その後の通院も楽になります。3ヶ月に1回程度、お口を診させていただければ効果的に予防ができるのはもちろん、顎や歯の発達異常など、お口のトラブルの早期発見にもつながります。
- 定期検診で行うこと
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● むし歯のチェック | ● 歯ぐきのチェック |
● 歯並び、かみ合わせのチェック | ● 歯のクリーニング(歯石・着色の除去) |
● 歯磨き指導 | ● フッ素塗布 |
そのほか、仕上げ磨きのコツやおやつの選び方など、どんなことでもご相談ください。
● フッ素塗布について
フッ素には歯質を強くしたり、むし歯菌の働きを抑制したり、歯の再石灰化を促して溶けだした歯を修復したりするなど、むし歯予防に高い効果があります。
そのため、歯磨き粉にはフッ素配合のものを選ぶとよいでしょう。さらに歯科医院では、医療機関ならではの高濃度のフッ素を塗布することができます。
● シーラントについて
奥歯の溝や前歯の裏側などむし歯ができやすい箇所に、あらかじめ「シーラント」と呼ばれるプラスチック樹脂を埋めて、むし歯菌が付着しないようにフタをする予防法です。
シーラントをしておくことで、保護者の方の仕上げ磨きも楽になるのでおすすめです。
お子さまの将来のために、
お口の健康を守りましょう
7~12歳頃に生える永久歯は、その後お子さまが80年、90年と使い続けていくものです。
そして、歯の健康は全身の健康の土台となり、あらゆる全身疾患を防いでくれる可能性があります。
お子さまの「健やかな人生」のために、小さいうちに歯の予防習慣を身につけてあげましょう。